フランス語の慣用句にカキの歴史を彷彿とさせるポルトガル牡蠣

かき名言

 

■かつてフランスで最も普及していた牡蠣のひとつ、ポルトガル牡蠣

現在は日本から渡った真牡蠣が養殖牡蠣の90%を占めていると言われているフランスですが、かつてはヒラガキポルトガル牡蠣という牡蠣が国内の2大シェアの牡蠣でした。

 

 

結局、1893年にヒラガキの疫病が広がりはじめ、1920年前後にはヒラガキが急激に減少をしはじめることになりました。そして今度は1967年前後になるとポルトガル牡蠣にえらが破壊される疫病(イリドウイルスの感染)が大流行したことで、フランス国内のヒラガキポルトガル牡蠣は絶滅の危機に瀕し、その際に輸入された宮城県の真牡蠣が成長度や生命力の面で生産者に評価され、現在の状況となったようです。

 

宮城県の真牡蠣フランスへ輸出されることになったお話はコチラ↓

日本とフランスを結ぶ牡蠣養殖の絆の歴史!カキ愛は国境を越える
日本と同じくらい牡蠣が大好きな国フランスにおけるカキ愛の歴史と文化を踏まえ、同国で起きたかきの大被害に日本の宮城県産の真牡蠣が活躍したというお話、そして2011年3月に起きた東日本大震災で、今度はフランスが宮城のカキ養殖の復興を助けてくれたというお話について調べました。

 

■フランスの慣用句に、かつて国内牡蠣の中心的存在だったポルトガル牡蠣があった!

ポルトガル牡蠣が国内で一般に普及し、誰にも認識されている牡蠣であったこその比喩的言い回しがフランスには今も残っています。

 

 

Avoir les portugaises ensablées
(砂に埋もれたポルトガル牡蠣を持つ)

フランスの慣用句より

 

これはポルトガル牡蠣の殻の形が人の耳に似ていることから表現されている慣用句で、「砂に埋もれた耳」=「耳が遠い、悪い」を意味する言葉として使用されています。

portugaises 」という単語は頭文字が大文字の場合は「ポルトガル人女性」、小文字の場合は「ポルトガル牡蠣」という意味となるそうです。

 

■近年、ポルトガル牡蠣が沖縄の特産品となる養殖研究が進んでいた!

実はこのポルトガル牡蠣、驚くことに日本の海でも近年自生していたことが発見されています。2017年頃になんと日本の最南端の県である沖縄県金武湾で発見されました。これまでは牡蠣は比較的低い海水温度域で生息すると考えていた地元の方々も驚かれた様子です。

 

 

そして、世界的には成長力繁殖力生命力の意味で日本の真牡蠣に劣っていたことで生産量が減ってしまったポルトガル牡蠣でしたが、現在、沖縄県では県の特産品とできないものか?と養殖の試験も繰り返されているようです。

 

うるま市の石川漁業協同組合は、地元の海で育つ「ポルトガルガキ」などを新たな特産品にしようと2年前から、県内の研究機関などと共同で、試験的に養殖を行ってきました。
先月から本格的な養殖事業を始めたのをきっかけに、25日、うるま市や漁協の関係者など、
およそ30人が参加した試食会がうるま市の漁協の事務所で行われました。

試食会では、6センチあまりに成長したかきが網の上で焼かれ、
参加者は、焼きがきの濃厚な味を楽しんでいました。
漁協では、養殖したかきは来年6月に収穫する予定で、1万個から1万5000個の
収穫を見込んでいるということです。

試食したうるま市の男性は、
「地元でかきが育つことに驚いた。味も濃厚でとてもおいしい」
と話していました。

石川漁業協同組合の若津武徳組合長は、
「県外でのかきの出荷のピークが冬場なので、6月の収穫は
将来的に県外への出荷にもつながる」とと話していました。

引用元:NHK沖縄ニュース(2018年9月26日)

 

2018年6月には沖縄産の養殖ポルトガル牡蠣のお披露目会もあったそうなので、数年内に沖縄産のポルトガル牡蠣が名産品として一般に流通する日も近いのかもしれません。

 

楽しみなお話ですね♪

 

それではまたお会いしましょう。

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