ことわざ「牡蠣が鼻たれを笑う」とカキ好き文豪・檀一雄のかきの名言

かき名言

 

■牡蠣のことわざ「かきが鼻たれを笑う」なんてものがあった。その意味とは?

今回は牡蠣のことわざとカキの名言をセットでお届け致します。まずは牡蠣のことわざとしてその手の方々には有名(らしい)この言葉から。

 

●「かきが鼻たれを笑う」
意味:自分のことは棚に上げて、他の人のことや人の未熟で経験不足な点をあざ笑う事のたとえ

 


素材サイト画像

 

同じ意味のことわざとして「目糞鼻糞を笑う」というものが該当するようですが、カキコとしては麗しの牡蠣様にあんまりなことわざのような気がいたします。

 


画像:twitter

 

twitterにはこんな情報もあって、この内容が確かであれば、「広島のローカルことわざ」なのだそう。牡蠣生産量全国一の広島では牡蠣は宝ではなく、どこにでもあるようなモノなのかも?しれません。牡蠣インフレといった感じですねwうらやましい限りです。。

 

■「~青バナを垂らしたような、ボッテリお腹のふくらみあがった、日本のカキ」と記したグルメな牡蠣好き文豪・壇一雄の名言

鼻タレと牡蠣という連想から言うと、太宰治さんの盟友として有名な日本の文豪・壇一雄さんも牡蠣と鼻タレに関する名言を残しています。


画像:wikipedia

 

●壇一雄(だん かずお)
・1912年(明治45年)2月3日-1976年1月2日(没63歳)
・山梨県南都留郡谷村町出身
・福岡県福岡市東区にて死去
・小説家、作詞家、料理家、

 

壇一雄さんは小説や詩のほかにも料理に関するグルメな文豪ならではの本も残しているようです。その1冊にある壇一雄さんが残した牡蠣の名言はこちら。

 

「しかし、カキフライだの、カキのドテ鍋だのにするのなら、日本のカキ万歳であって、青バナを垂らしたような、ボッテリお腹のふくらみあがった、日本のカキでなかったら、あの豊満なカキのうれしさには、めぐりあえないだろう」

引用元:『わが百味神髄』壇一雄

 

牡蠣は加熱してお腹の部分をかじってみると、牡蠣が食べていたと思われる栄養たっぷりのプランクトンやら昆布のような緑色の内容物が出てきます。それをつまりは「青バナ」と表現したのかもしれませんが、なんとも食欲が萎えそうなたとえですw

 

しかしながら、文章をもう一度読んでみると、湯気をあげた鍋の中で白いお腹をぷっくりと膨らませた牡蠣の様子が映像として鮮明に目に浮かぶような独特の表現をして日本の牡蠣の美味しさを賞賛しています。どうやら、とても牡蠣が好きだった様子です。

 

あの豊満なカキのうれしさには、
めぐりあえないだろう!!

 

「美味しさ」ではなく、「うれしさ」なのであります。
幸福そのもの、牡蠣への讃美歌と言っても過言ではないでしょう。

 

壇一家の本籍地は元々福岡県だったようで、壇一雄さんも一度は上京したものの、生活が困窮してからは母親の実家である久留米に移り住んでいたという経緯があるので、近くに美味しい牡蠣はいつもあったのではないかと考えられます。

 

別にそこへかけたわけではないと思いますが、壇一雄さんが太宰治さん、中原中也さん、森敦さんらと共に創刊した文芸同人誌は『青い花』という名前でしたw


画像:twitter

 


画像:記憶の宮殿

 

ちなみにこれはさらに余談ですが、壇一雄さんが料理に縁があったきっかけは、9歳の時に実の母親が居なくなり、父親は料理が出来ず、家にはお腹をすかせた小学校にも上がらない妹が3人もいたことから、必死で料理をすることになったことからのようです。

 

けれども、結局その「点で見た時の悲劇」が発端となって、壇一雄さんは文壇屈指の料理人として名を通すことに至りました。次の喜び、しあわせの鍵はいつも望まぬ形で、時に悲劇として我々の手の中に落ちてきて、望まない形をしたそれを受け入れ、温めつづけることによって、いつか新しい扉を開けることになるのかもしれません。

 

青バナ牡蠣の名言はそんな背景をもって生まれた名言だったのでした。

 

それではまたお会いしましょう♪

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