■牡蠣の味わいは女性のうなじにも匹敵する魅力。カキ俳句を詠んだ鷹羽狩行
牡蠣を俳句に詠んだ日本の俳人に鷹羽狩行さんという方がいます。
画像:朝日新聞
やはり、美食家は笑顔の質が違います(笑)
・1930年(昭和5年)10月5日-
・山形県新庄市生まれ
・「狩」を刊行・主宰
・日本藝術院会員
まずはそのカキ俳句から。
牡蛎の酢に 噎せてうなじのうつくしき
鷹羽狩行
牡蠣のような、随分楽しみにしていた素晴らしい味わいのご馳走を目の前にしても、その美味しさに集中することを妨げるほど甘美な女性のうなじに心を奪われるという、男性目線のユーモアでウィットに飛んだ素敵な俳句となっています。
女性のうなじと天秤にかけるような形で登場する牡蠣は、鷹羽狩行さんにとって、大好物の食材であることも同時に伝わってきます。
また、「酢」という表現から、「牡蠣」は冬の季語ではありますが、おそらく詠まれた俳句の中の牡蠣は加熱されたカキではなく、「生牡蠣」であるだろうことも想像させます。
よほどの美人な方のうなじだったのでしょうね(笑)
そして、鷹羽狩行さんは2007年に別の俳句にも牡蠣を詠んでいました。
殻つきの嵩ばる牡蠣の歳暮かな
鷹羽狩行
最初の句をよんだ後にこちらの俳句へ移ると、何とも殺伐とした風景や感情が伝わる印象がしてきます(主観)。発泡スチロールに入れられたたくさんの殻付きの牡蠣の風景。
鷹羽狩行さんへ殻付き牡蠣を贈るような方ですから、きっと鷹羽狩行さんの好物が牡蠣だと知っている特別な相手であり、わざわざ手配して贈られたに違いありません。
ところが、贈られた鷹羽狩行さんはというと「殻付きの嵩ばる牡蠣」と表現しています。さらに「歳暮かな」と「嵩ばる」が相まって、「歳暮として恩着せがましいほどの嵩ばり方」だとでも言うかのような表現でもあります(主観)
ここに何となくにじみ出てくるのは、やはり一句目の「うなじ」なのであります。今年も1年が終わろうとする物悲しい時期に、かつて口にした生牡蠣の記憶、もっと言うなら、美味しい牡蠣を美しい女性と盃を交わして食べたという記憶が蘇って、
どんなに美味しい牡蠣がここにあっても、美人が居なければ喜びや美味しさなど半減してしまう、というような憂いを感じさせます。
新鮮な殻付き牡蠣よりも、私はあなたと一緒に食べたかった、という気持ちかもしれません。
葛の花 むかしの恋は山河こえ
鷹羽狩行
そうした美しい記憶は、遠い昔のものとなってしまっても、いつも山河を越えて鮮やかに再生されるのであります。人生で最高の宝のひとつがこうした鮮やかな「思い出」ではないかと、近頃のカキコは思うわけです。
■牡蠣と言えばやっぱり甘美な味わいが織りなすエロス。それは生命の味わいそのもの。
さて、今回は牡蠣のもつセクシーな味わいについても、少し改めて調べてみました。
牡蠣を食べると、その味わい深い奥行きやミルキーに広がる甘味から、セクシーな気持ちになることがないこともないカキコです。
それもまたよし。
実際に、日本で滋養強壮の食材としてランクインする食材のひとつに「牡蠣」は必ずといっていいほど入ってきます。
それには一応根拠があって、牡蠣の成分に含まれる
●N-メチル-D-アスパラギン酸
というアミノ酸成分に男女の性ホルモンを高める作用がある、ということかららしいです。
そして、もうひとつこちらの方が有名かもしれませんが、
亜鉛はカキに豊富に含まれる成分のひとつで、テストステロンという男性ホルモンの一種である成分の生成を助け、男女ともに性欲を高めるということが分かっています。また、亜鉛は男性の性コンディションにも重要な役割を担っている成分でもあるそうです。
さらに、女性の妊娠にとっても受精卵が胎児に育つまでの間における細胞分裂に必要となるのがほかでもない「亜鉛」です。
やはり、牡蠣の奥深い味わいには生命の源となっている「いのちの味」が含まれているとも言えそうです。
★牡蠣と栄養についてはコチラ↓
生きる活力が無くなったら、牡蠣たべろ、はある意味正解と言えそうです(笑)
ではまたお会いしましょう♪
コメント