日本初の食玩栄養菓子グリコキャラメルに牡蠣エキスが入っていた!

牡蠣マメ知識

 

■日本の子どもたちに「おいしさと健康」を届けてきたグリコのミッションの裏にカキの存在。

大阪の道頓堀には現在2014年10月点灯の6代目となるグリコのネオンサインが掲げられていますが、初代のネオンサインが大阪ミナミ戎橋脇に西日本最大級の高さ33mという巨大な看板として登場したのは1935年(昭和10年)でした。

 


画像:グリコ歴代ネオンサイン

 

この強烈なインパクトのあるグリコのマークは国民なら誰しもが知る企業のシンボルとなり、独特のポーズは「ゴールインマーク」「グリコポーズ」としてこのシンボルの前で写真を撮る旅行者が絶えない人気観光スポットとなっています。

 

国民的お菓子グリコ

 

グリコがキャラメル菓子「グリコ」を製作したのが1919年(大正8年)、1922年2月11日には三越百貨店で発売開始され、発売記念日にあたる2月11日は「江崎グリコ創立記念日」

 

 

1927年(昭和2年)にはそのグリコキャラメルに日本初の食玩としておまけがつくようになり、以来子供たちにとっては「ふたつのうれしさ」が一緒になっている夢のお菓子となりました。

 

はじめてのおもちゃ付きお菓子。

 

子どもたちにとって、食べることと遊ぶことは二大天職。子どもの栄養補給剤になる栄養菓子のグリコと、心の発育に役立つおもちゃをひとつにしよう

 

 

こんな想いが、夢の赤い箱を生み出し、現在の子どもたちにも同じように続いています。ざっと4代お世話になってきたと言ったところでしょうか。

 

「おいしさと健康」

 

これがグリコ創業からの大きなテーマ、ミッションとなっています。その大きなミッションを後ろで支えていたのがなんと牡蠣の存在でした。

 

それはグリコ創業者の江崎利一さんと息子さんとのエピソードに始まっています。

 

■グリコ創業者・江崎利一さんの出身地佐賀県佐賀市蓮池町と有明海のカキがくれたアイデア

江崎利一さんの出身地である現在の佐賀県佐賀市蓮池町は、筑後川が有明海に注ぎ込むエリアにほど近い地域でした。

 

有明海では明治から昭和30年ころまで地撒式のカキ養殖が盛んに営まれていたはずなので、江崎利一さんにとって牡蠣はとても親しみ深い食材であり、収穫地域の風景にも馴染みがあったと思われます。

 


佐賀県佐賀市蓮池町

 

調べてみると、やはり筑後川河口にある、「戸ヶ里漁港で水揚げされた牡蠣の風景」が事業の最初のアイデアとなっていました。

 

江崎利一さん「牡蠣にはエネルギー代謝に必要なグリコーゲンがたくさん含まれている」という記事をたまたま読んでいました。そして、その記憶がまだ残るころに行商の際に立ち寄った浜辺で牡蠣漁の漁師たちが牡蠣の煮汁を大量に捨てている風景を目にしたのです。

 

江崎利一さんは捨てられる牡蠣の煮汁からグリコーゲンを抽出してどうにか子供たちの健康づくりに生かせないものかと考えたといいます。

 

「子供たちの健康」という発想になったのには江崎利一さんが19歳という年齢にして一家の大黒柱であった父親を失い、兄弟を抱えた一家6人の生計を一身に背負ったという背景にもよるのかもしれませんし、実の息子である長男が病気で衰弱した経緯からかもしれません。

 

■チフスで衰弱した長男に牡蠣エキスを飲ませて回復させた経験からグリコーゲンの事業化へ

江崎利一さんの長男・誠一さんは1911年生まれですが、10歳の頃にチフスにかかり、医師もさじを投げるほどの重体だったそうです。その際に江崎利一さんはちょうど牡蠣からグリコーゲンを抽出して事業化することをすでに考え研究に入っており、医師の許可を得て牡蠣エキスを誠一さんへ投与するという事をしました。

 

 

すると、牡蠣エキスの投与をきっかけに誠一さんの病状はみるみる快方へ向かい、食欲や体力が回復していったという驚くような結果をもたらしたそうです。この結果に対する自信がグリコーゲンの事業化への熱意を一層高めたようです。

 

 

■グリコーゲン入りの飴の試作品の開発~キャラメルの発売

長男に牡蠣エキスを飲ませる際に、最初は苦くて嫌がる様子があったようでしたが、そこへ砂糖を混ぜて飲みやすくなるような工夫を江崎利一さんはしていました。

 

 

その経緯から、飴の中に牡蠣から抽出したグリコーゲンを入れる試作品を多く作るようになりました。

 

そして遂に出来上がったのが、現在も私たちが食べているグリコーゲン入りの栄養菓子であるキャラメルでした。そうしてできたキャラメルはグリコーゲンにちなんで「グリコ」と名付けられました。

 

グリコが三越デパートで発売されたのは1922年ですから、長男の誠一さんがチフスになったと思われる10歳、1921年の翌年です。本当にグリコの開発に直近まで息子の誠一さんのお話があったと思うと非常に感慨深いですね。

 

■「ひとつぶ300メートル」のキャッチコピーにある牡蠣エキスの中のグリコーゲンの効果は本当?

当初は薬としての活用を考えていた江崎利一さんでしたが、

 

病気になった人を治すよりも、病気にかからない体をつくることが大切。予防こそが治療に勝るのだ

 

と医者からアドバイスを受けたことで、食生活が十分ではなかった時代に子供たちが食べて健康を促進できるようなお菓子をつくろうと決意したのがグリコキャラメル誕生のきっかけとなりました。

 

 

牡蠣エキスに含まれる栄養には主に疲労回復効果のある「タウリン」「亜鉛」「鉄」などのミネラル、造血作用のある葉酸アミノ酸ビタミンなど、元気に活力ある生活を営むための栄養素が豊富に含まれています。

 

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中でも、商品名と会社名の元になっている「グリコーゲン」は効率よくエネルギーに変換できる糖質であり、で持久力を備えて活力ある状態を維持するためにとても大事な成分となっています。子供たちを元気に成長させるために活躍してくれる重要な栄養素だという事も分かりました。

 

子供たちは美味しくて大好きなグリコを食べて、おもちゃでワクワクしながら遊ぶという夢のような赤い箱を手に入れたのでした。

 

 

小さなおもちゃをお菓子に付属させたのも、子供たちの心の発達に役立てるようにという想いからでした。子供のココロが元気であることにも注目していたという事ですから、本当に江崎利一さんの子どもたちに対する思いの強さを感じます。

 

今生きている日本の大人は、グリコから元気をもらって成長したかつての子どもたちです。そして、グリコにはカキの栄養たっぷりのエキス、グリコーゲンが入っていました。

私たちはグリコの子どもたちであり、牡蛎の子どもたちと言っても過言ではありません。

 

 

今も、牡蛎グリコが私たちの命を応援してくれています。

 

それではまたお会いしましょう♪

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